自然精和の風の声。

 目でものを見ているだけだ。耳は聞こえるものをただ聞いているだけだ。

 それにいい音だとか、悪い景色だとか、善人だとか悪人だとかとか考えるのは私の心のはたらきだ。

 だから、耳が聞いたものや目に見えたもの、聞こえてくる音そのものの音のありのままに聞いたとか見たままものを忘れているのだ。

 自分の色を付けてしているからだ。

 しかし、その心はもう変わらないのだから、そのものをもったままで、素直に見聞きする練習をするしかないのだ。

 その基本はすべての人々の悩みや苦しみを観音とまでなって聞いてきたあみだ様の心を信じることによってしか得られない世界なのだ。そこからは常に自然精和の声と仏の心を持て余している命の輝きが、ほのかに垣間見えてくる世界が待っているのだろう。なんまんだも風の音。なんまんだ物なんまんだ。

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