一ミリ一生

 今は少しも動かなくてもいいんだな。

 今まで動きすぎたから。

 ゆっくり寝ていればいいだけだ。

 それでも、そのままだと死んじまうだけだから、生きていた証 拠があればきっと誰かが見てくれている。

 それが自分自身でもいいじゃないか。

 そうだな、一日一ミリはいいかもしれないな。

 好きなものを好きな体の一部分を動かしてみようかな。

 千里の道も1ミリからだ。一生1ミリのまま死んでもいいじゃないか。

 そんな人生があってもいい手本になれば立派なものだ。

 瞬き、一息、指パッチン。

 あいつ馬鹿じゃねえの、の一言でもいいな。

 たまには、にっこり微笑む真似もいい。

 それも嫌ならただ寝ていよう。

 そんな人生があってもいいな。

 60億人もいるからな。俺は俺の道を行く。

 なんまんだ。

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