煩悩と敵を敵としないで仲間にする親鸞とワンピース。

 ブッダは覚った後で魔族を「帰伏」したと大経にある。全滅させた、ではなく平伏させただけで、仲間にしたともとれるのである。

 漫画「one piece」では敵をやがて仲間にしているとか。親鸞の「煩悩即菩提」「証知生死即涅槃」の教学解釈は難しいが、地獄を恐れる心が地獄を作るという安田理深師の言葉にあるように、仏を妨げる最大の敵を敵にしないこと、ともに仏になってゆく仲間としてみてゆく信心の知見を獲得すれば、このような世界が開かれてくるのだろうと思います。

 親鸞の信心意識もブッダの悟り意識も、ともに同質で煩悩の心をくみ取りながら涅槃の世界に向かってゆくことがいま「帰伏」の意味であろうと思うのです。煩悩とともに悟りを深めてゆくことが宗教心に目覚めた者の真の実践生活になってゆくのだと思います。煩悩よ今日も一日ありがとう。といえる日までは仏敵なんだ。そうなんだ。
なんまんだ。

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