悟ったまま死にたくないと言って死んで行くしかないんだな。

 心の死、自力意識の喪失を経験した元禅宗の一休さんは、覚ろうと言う努力意識を捨てさせられ真理に目覚めた時、真理から真理そのものを体得させられた。

 しかし、残るこの身の痛み、哀しみの煩悩熾盛、死にたくないと言う声を一生の間き続けることが出来たのであろう。

 自力執心の心が、なお死にたくないと言う盲目的な意識ともいうべきものが一生続いていた。

 しかし、素直にわが身を見る仏の目がそこにあったから最後までこの五濁悪世を好み、友や妻と別れたくない、死にたくないと言う率直な言葉になったのでしよう。

 この身が、この肉体が必死に死を忌み嫌うのですが、その肉体の直接の反応と沸き上がるそのどうしようもない心の動揺をどうしても防ぎようがなかったのだと思うのです。

 なんまんだ

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