二つの力を持つ阿弥陀仏

 善人も悪人も人類全員地獄行。生きている時に全員、神や仏に反逆の悪を犯すから。善人と言われる人でさえ相対的に少ないだけで必ず悪をなして生きている。懺悔慚愧をしても繰り返して悪をなす。どんな神や仏が異様とも死後に必ず裁きが待っている。だから心にやましい人だらけ。だから死ぬのが怖いのは、どこに連れていかれるのか知らないからに違いない。
 こんなものは全員地獄の閻魔の前の浄玻璃の鏡の前で御裁きだ。善人悪人もお裁きだ。「悪人こそ救われる」と言った親鸞の悪人も浄土にはすぐにはいけないお裁きだ。
 鏡に映し出された真実は只「はい、はい、そうです」と認めるばかりの全悪人の証拠がドッサリ。
 ご都合次第で善をなし悪をなす。ご都合次第で悪をなし、善をなす。こんな善悪は嘘っぱち。その元を見たら全部自分の欲から出たご都合主義の虚偽だらけ。そしたら、私と言う人間は上から下から悪の塊でしたと言うほかないと認めざるを得ない地獄絵図。
 そこで初めてアミダ仏に自己全否定されて、全肯定されて、この世の善悪超えて、ただの慚愧歓喜の凡夫になって救われる世界が開けてくるのだろう。

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