善良な鬼

鬼の自覚には二種類ある。本物の鬼と偽物の鬼の自覚を持った鬼である。
 心の底から自分は鬼とは思っていない中途半端な自覚を持って、ある時は本物だと言い、ある時は、そうでもないという鬼と、本当に自分は鬼だと信じ込んでいる鬼がいるのだ。
 人間の格好をした、鬼だけど心の底から、次にどんな悪をしでかすかわからない、何をしでかすかわからない、相手や自分さえも傷つけ犯す鬼だと信じてやまない鬼人間は自分を仮の鬼人間と思って生きている鬼とは違うのである。本物の鬼人間は仏様の救いにあづかったから、自分の本性が知らされ、赤裸々に打ち明けることができるようになったから、鬼と言っているのである。明るい、朗らかな鬼なのである。自分で鬼としての存在を仏さまに認められた善良な鬼なのである。

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