永遠の愛に生きること。

 男女が永遠の愛を誓うほど恐ろしいことはない。

 現世の虚しさからくる永遠への憧れ。神にその愛を誓っても三分の一は誓った愛を自己愛で裏切っているからな。

 人間にとって永遠ほど厄介なものはないのだから。

 永遠だから今の愛の誓い が神のごとくいつまでたっても続く輪廻転生があるのなら、二人の生活がまた同じ相手と続くのだ。

 世を渡る家庭生活の苦労も精神的な自己矛盾とも戦うことになる。

 それらが永遠の愛に縛られ続くのだ。

 それほど人間は永遠ではないので、この現世だけの愛の永遠性なら有限の愛になる。二人で勝ち得るものもあるかもしれないが、永遠とか平和とかは一人一人が獲得するもので、本質は同じでも理解や表現や宿業が違うので、一致することは難しい。

 それを知っていてもなお難しいのが永遠を生きようとする強い意志だ。

 永遠でないものを持っている相対性で限定的なところを乗り越えて行けるならほんものの幸福と言う物に出会えるのかもしれないな。

 永遠の愛や平和は神や仏に任せて、人間は人間らしく喧々諤々と生きていた方が永遠の愛よりも正しく合理的なような気がします。

 限定的な自己愛を持ちながら無限の博愛に生きる矛盾を人はいつまで生きなければならないのでしょう。

 なんまんだ。

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