永久歯

 乳歯が永久歯に生え変わる。仏様の話を子供は素直に聞くから、そんなに丈夫な歯はいらないし、それほど仏に噛みつく丈夫な歯はいらないな。
 それでも仏法を理解できないときは仏の教えを細かくかみ砕く丈夫な歯が必要だ。仏に刃向かうほどの、永遠に戦いを挑むほどの丈夫な歯が必要だ。
大きくなったらガリガリ音を立ててかみつくほどの歯が必要だ。我利、我利、我利、我利我ぁー利我利。そのうちいくら歯を立てても齧れないあみだ様の御身体。アミダ様の方から五逆誹謗の甘齧り。
 それで己の歯がみんな欠け、フガフガモガモガそれでも入れ歯でまだ齧る。それでやっとあみだ様の教えが丸呑みできる。一体、歯があった方がよかったのか、どうなのか。歯は一体誰の為に生えるのか、全部抜けてみたらわかります。それでも小賢しい人間は、入れ歯を作ってもうひと踏ん張りするから、阿弥陀様もご老体を助けがたいと困っている。自然のままで素直に阿弥陀様に齧り取られればすむはずの事。
 赤ちゃんの時に最初はみんな歯なんか生えてなかったはずなのに。生きてる限りに源は仏様に体撞く永久歯は抜けないな。これであみだ様も、こちらも困る厄介者だ。
 だけどこれがなければ、どちらも出会えぬ永遠に。この歯のおかげで、人間は仏様の智慧と慈悲の深さが分かります。学佛大悲心。おかげ様だよ永久歯。取るに取られぬ永久歯。

なんまんだぶつ
なんまんだ

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