獲信者と古漬け大根 

 獲信者はかわいそう、まるで暗い倉庫の片隅で
古い木の桶の中に長年漬けられた古漬だ
暗い、くさい、触りたくないような手触りで
時には白いカビまで浮いている。
 こわごわ触ってみれば、くにゃくにゃしていて
掴みどころがありません
 ところが皆さん、聞いて下さい、古漬けは
たった一度食べてみなんせ、一度だけ
見てくれと違って一度食べたら
とまらない、あーあ、やめられない
 食前食中食後にも、癖になって
止まりませんぜ、古漬けは
それほど味がいいものなのに
 世間様は見てくれだけで、つまはじき
それでもわかってくださるお人がいてさ
興味津々食べにくる、一口食べて
 あー美味い、これこそ私が探し求めていた味だ、なんて
 おべんちゃらでもありがたいよな、うれしいような
これがナンマンダブツでおめでたい
 それでいいのだ、これでいいのだ
昔から、信心歓喜なんて人には見えない聞こえない
煩悩の雲霧に見え隠れする輝く星のよう
 自内証の御救いだ、これでいいのだ
ナンマンダ
ナンマンダブツのナンマンダ

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